<Header>
<Author: 劉長卿>
<Title: 江州重別薛六柳八二員外>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 江州にて重ねて薛六柳八二員外に別る>
<BookPage: 270>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
生涯豈料承優詔，
世事空知學醉歌。
江上月明胡鴈過，
淮南木落楚山多。
寄身且喜滄洲近，
顧影無如白髮何。
今日龍鍾人共棄，
媿君猶遣慎風波。
<End Poem>
<Translation>
わたしの一生（いっしょう）において、このような左遷（させん）の天子（てんし）のみことのりをお受（う）けしようとは、どうして予想（よそう）したであろうか。世（よ）の中（なか）の事（こと）は自分（じぶん）の心（こころ）のままにはならずただ、酒（さけ）に酔（よ）って歌（うた）うことをまねるだけのわが身（み）と知（し）った。

ここ、江州（こうしゅ）の川（かわ）のほとりは、月（つき）が明（あかる）るく照（て）り、雁（がん）が飛（と）んで、淮南（わいなん）と呼（よ）ばれるこの地（ち）の木々（きぎ）の葉（は）も散（ち）り尽（つ）くして、はるかに楚（そ）の地方（ちほう）の山々（やまやま）が、連（つら）なっているのが見（み）える。

わが身（み）をこれから託（たく）することになるその土地（とち）が、南方（なんぽう）の海辺（うみべ）の隠者（いんじゃ）の住（す）むところに近（ちか）いことを、喜（よりこ）ぽうとは思（おも）うのだが、鏡（かがみ）に映（うつ）る自分（じぶん）の姿（すがた）を見（み）て、その白髪（しらが）をどうすることもできないのだ。

今（いま）は、やつれ果（はて）てて、あなた方（かた）もわたしも、年老（としお）いてしまった。あなた方（かた）が、それでもなお、旅路（たびじ）の風波（かぜなみ）に注意（ちゅうい）せよと戒（いまし）めてくださることに、今（いま）はただ恥（はじ）じ入（い）るばかりなのだ。
<End Translation>